特集 補体のすべて ~機能から病態まで~
7.全身性エリテマトーデスと補体
塚本浩
1
Hiroshi Tsukamoto
1
1九州大学大学院 医学研究院 病態修復内科学 准教授
pp.1315-1322
発行日 2015年8月30日
Published Date 2015/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201509079
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全身性エリテマトーデス(SLE)は代表的全身性自己免疫疾患で,病因や病態形成に補体系が重要な役割を果たしている。SLEにおける補体の役割には二面性があり,ヒト補体古典経路前期成分は,その欠損症においてSLE を高頻度に合併することよりSLE発症において抑制的に働く一方,免疫複合体による補体活性化は組織障害を惹起し,SLEの病態において促進的な役割を果たす。古典経路前期成分欠損症では,アポトーシス細胞の処理能低下やB細胞への自己抗原提示能の低下,インターフェロン-αの産生亢進などがSLE発症に関与する。