特集 血液病の外来診療
8.血小板減少症
上田恭典
1
Yasunori Ueda
1
1公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 血液内科 血液治療センター 外来化学療法センター 主任部長
pp.503-512
発行日 2015年3月30日
Published Date 2015/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201504081
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
外来診療で経験する血小板減少症について述べた。特発性血小板減少性紫斑病は,抗血小板抗体産生による破壊の亢進と巨核球の成熟抑制が病因とされる。従来の副腎皮質ホルモン,脾摘に加え,トロンボポエチン受容体作動薬が治療薬として保険収載された。血栓性血小板減少性紫斑病は,しばしば初期にエバンス症候群と診断される。クームス試験陰性,神経症状に留意する。PAIgGは高値になる場合が多い。血小板輸血は禁忌である。薬剤性血小板減少症についても検討する必要がある。透析患者では,ヘパリン起因性血小板減少症の可能性も検討する。