特集 アレルギー性鼻炎の研究 アップデート
V.樹状細胞を用いた免疫療法の可能性
鈴木元彦
1
Motohiko Suzuki
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科准教授
pp.710-718
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201305048
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抗原提示細胞の中で最も強力な抗原提示能をもっているのは樹状細胞である。樹状細胞は骨髄幹細胞から分化し局所へ移動して分布するが,その過程で成熟し,生体の免疫応答の司令塔としてきわめて重要な役割をはたしている。例えば,樹状細胞はナイーブT細胞のTh1,Th2,Th17といったeffector細胞への分化を調整している。またIL-10産生を介して制御性T細胞が誘導して免疫寛容も誘導する。したがって樹状細胞は免疫応答を正にも負にも調整することが可能で,樹状細胞を用いた免疫療法が期待されている。