連載 ディベート血液学 第2回
血友病Aインヒビター患者に対する免疫寛容療法
免疫寛容療法が適応にならない患者とは?
鈴木伸明
1
Nobuaki Suzuki
1
1名古屋大学医学部附属病院 検査部
pp.744-747
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201405086
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ITIはインヒビターを消失させ得る唯一の治療法として認知されているが,残念ながら全インヒビター患者に対して有効なわけではない。遺伝子異常のタイプ,ITI開始前のインヒビター力価,過去の最高インヒビター力価,インヒビター発症後の年数などが治療成績と関係することがわかっている。また,ITI治療そのものも頻回の製剤投与が必要であることから,患者負担が大きい。したがって,適応症例をしっかり見定めた上で施行する必要がある。