Topics「身近な話題・世界の話題」(121)
がん免疫療法の逆襲
西條長宏
1
Nagahiro Saijo
1
1日本臨床腫瘍学会 特別顧問
pp.452-457
発行日 2014年2月28日
Published Date 2014/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201403136
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がん免疫療法は胡散臭い治療とみなされてきた。期待が先行し,まともな臨床試験は行われたとしても,ほぼ全てがNegative dataに終わってきた。実際,ヒトに対する免疫療法の動物実験モデルは理論的にも難しいため,ある程度の成績で妥協せざるを得なかった。最近,Immune Check Pointに関わる分子に対する抗体を用いた治療が注目を集めている。臨床レベルで,進行がんに対しても再現性をもって明らかな腫瘍縮小効果を示す免疫療法が開発された。テイラーメイド治療の新しい夜明けである。