特集 節外性リンパ腫
2.中枢神経系原発リンパ腫治療の現状と今後の方向性
石澤賢一
1
Kenichi Ishizawa
1
1東北大学病院 臨床研究推進センター/血液免疫科 特任教授
pp.1543-1551
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013111543
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中枢神経系原発リンパ腫(primary CNS lymphoma:PCNSL)に対する治療は,MTX大量療法と全脳照射を中心に検討された。初回化学療法としては,MTX大量療法+Ara-C大量療法の有効性が示され,全脳照射の地固めで治療成績の向上が図られた。その後,全脳照射の晩発毒性が明らかになり,特に高齢者でQOLを著しく低下させるため,寛解症例に対しては回避される傾向にある。初回治療の強化,新規薬剤の導入により,若年者でも全脳照射を回避する治療法の開発が進んでいる。