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原典 1)Dam H:Hemorrhages in chicks reared in artificial diets:a new deficiency disease. Nature 133:909-910, 1934. 2)Dam H, Schonheyder F:A deficiency disease in chicks resembling scurvy. Biochemical J 2:1355-1359, 1934. 3)Dam H:The antihaemorrhagic vitamin of the chick:occurrence and chemical nature. Nature 135:652-653, 1935. 要旨 1)鶏を人工餌(ビタミンAを含まないカゼイン,イースト抽出物,塩,デンプン,タラの肝油の混合物)で飼育すると,皮下や筋肉内出血を起こす。壊血病に似ているが,ビタミンCの添加は無効である。穀類や種子で飼育すると出血は起こらない。したがって,この病気は穀類や種子に存在する抗出血因子(ビタミンCではない)の欠乏により引き起こされる(注:約200 wordsの非常に短い報告で,2)に挙げた論文の予報である)。 2)白色レグホンを人工餌で飼育すると,出血症状,貧血,砂嚢の病的変化,成育不全が起こった。アスコルビン酸を経口投与または皮下注射しても出血は防げなかった。出血はビタミンA,D,B1,B2の欠乏によるものではなく,穀物中に存在する因子の欠乏によることが示唆された。 3)抗出血因子は脂溶性で,ブタの肝臓,麻の種子,トマト,穀物などに存在する。ビタミンEとは異なる。抗出血因子をビタミンKと命名したい(注:これも約350 wordsの短い報告である)。