特集 注目されるnatural killer T(NKT)細胞
6.NKT細胞による動脈硬化症と肥満の進展機序
岩渕和也
1
Kazuya Iwabuchi
1
1北里大学医学部 免疫学 教授
pp.941-948
発行日 2013年6月30日
Published Date 2013/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201307941
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
我々は,主要組織適合抗原クラス I 様分子であるCD1dの遺伝子破壊(KO)マウスでは,動脈硬化症や食餌誘導性肥満の進展が有意に抑制されることを報告した。このことは,CD1d拘束性NKT細胞が動脈硬化症や肥満の進展に対して促進的に働くことを示唆している。炎症・免疫応答を増強するNKT細胞の特性を外挿すれば妥当な結果であるが,肥満の進展に対するNKT細胞の役割は,促進的・中立的・抑制的と研究者により一様ではなかった。NKT細胞の役割が研究者によらずほぼ促進的であった動脈硬化症と対照的である。想定されるメカニズムについて考察する。