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連載 私達の研究(136)
HIV研究から明らかになった内因性抗ウイルス因子たち
HIV restriction factors
中山英美
1
,
塩田達雄
2
E.Nakayama Emi
1
,
Shioda Tatsuo
2
1大阪大学微生物病研究所ウイルス感染制御分野 准教授
2大阪大学微生物病研究所ウイルス感染制御分野 教授
キーワード:
APOBEC3G,vif,TRIM5α,vpu,SAMHD1,vpx
Keyword:
APOBEC3G,vif,TRIM5α,vpu,SAMHD1,vpx
pp.106-115
発行日 2014年6月25日
Published Date 2014/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201407106
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ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は,ウイルス粒子構成タンパク質に加えて,種々のアクセサリータンパク質をもつ。近年,アクセサリータンパク質:Vif,Vpu,Vpxは,それぞれ抗HIV宿主因子:APOBEC3G,BST2,SAMHD1を感染細胞の分解経路に導いて効率よく感染・増殖できるように,HIVが進化の過程で獲得したものであることが明らかになってきた。これら3つに,我々が研究しているTRIM5αを加えた4つの宿主因子はrestriction factorと呼ばれ,HIVのみならず,レトロトランスポゾン,インフルエンザやB型肝炎ウイルスにも感染抑制効果を及ぼすことから,免疫担当細胞に限らず,細胞が広く備えている内因性免疫システムとして注目を集めている。