原著
季節性アレルギー性鼻炎に対するルパタジンの治療満足度:前年の第二世代抗ヒスタミン薬治療に不満のあったスギ花粉症患者を対象にした臨床研究(SPRING研究)
橋口一弘
1
,
江崎貴普
2
,
橋本敏夫
2
,
脇本公嗣
2
,
佐藤法子
2
,
平田和也
2
,
山田侑佳
2
,
大久保公裕
3
Kazuhiro Hashiguchi
1
,
Takahiro Esaki
2
,
Toshio Hashimoto
2
,
Koji Wakimoto
2
,
Noriko Sato
2
,
Kazuya Hirata
2
,
Yuka Yamada
2
,
Kimihiro Okubo
3
1医療法人社団左門ふたば会ふたばクリニック/医療法人社団信濃会信濃坂クリニック
2田辺三菱製薬株式会社育薬本部
3日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野
pp.1452-1464
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111452
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ルパタジンは血小板活性化因子受容体拮抗作用を併せもつ第二世代抗ヒスタミン薬である。本研究では,前年の第二世代抗ヒスタミン薬治療に不満のあったスギ花粉症患者を対象に,患者の治療満足度を指標としてルパタジンの有用性を検討した。ルパタジン10 mgを100例の患者に投与し,治療6日目に満足しなかった患者に対しては投与量を20 mgに増量した。その結果,増量45例を含む治療11日目の治療満足(満足している,やや満足している)率は76.0%(95%信頼区間:67.6~84.4)であり,鼻症状,夜間鼻閉及びquality of life(QOL)の有意な改善が認められた。主な有害事象として傾眠が報告されたものの,治療満足に対するその影響は小さく,治療満足率には鼻症状及びQOLスコアの変化量が関連することが示された。