今月の主題 病原微生物の迅速検査
巻頭言
病原微生物の迅速検査
猪狩 淳
1
Jun IGARI
1
1順天堂大学医学部臨床病理学
pp.125-126
発行日 2003年2月15日
Published Date 2003/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100894
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感染症の診断は,その疾患が感染症であるかどうかを確認することである.
そのための臨床検査は,①感染症であるかをスクリーニングする病態検査,②感染部位の検査,③起炎病原体の決定あるいは推定のための検査である.このうち,治療に直結するものとして重要な検査は,微生物学的に起炎病原体を明らかにすることである.
それには,従来より,①塗抹鏡検法による病原体の推定あるいは確認,②分離培養法による病原体の同定,が細菌や真菌の検出に日常的に行われてきている.ウイルスの検出も,基本的にはウイルスの分離同定であるが,これは検査に関する諸条件が整った限られた施設でのみ検査を行うことができ,どこでも行うというわけにはいかないなどの理由で,抗体検査が一般的である.
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