連載 ほんとの出会い・18
船が運ぶのは不安か それとも希望か
岡田 真紀
pp.765
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100909
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船のデッキに模した舞台が張り出している。ざわめいていたホールが次第に静まり,照明を浴びて白い手すりが浮かび上がる。
埼玉・ゴールドシアターによる「船上のピクニック」(作:岩松了)の幕が上がった。ゴールドシアターは,名演出家,蜷川幸雄さんが「年齢を重ねるということは,さまざまな経験を,つまり深い喜びや悲しみや平穏な日々を生き抜いてきたということの証でもあります。その年齢を重ねた人々が,その個人史をベースに,身体表現という方法によって新しい自分に出会うことは可能ではないか?」と,全国から55歳以上の人を公募して作った劇団。主婦や元OL,元自衛隊員,お坊さんまでいる。最高齢は81歳。ほぼ25倍の狭き門をくぐって入団し,発声や体の動き,洋舞,日舞など1年間のハードな訓練をこなして,ようやく迎えた第1回公演である。
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