特集 アレルギー 最近の話題
Ⅷ.オマリズマブ(ゾレア®)による慢性蕁麻疹の治療
福永淳
1
Atsushi Fukunaga
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野講師
pp.1346-1353
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201710072
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
本邦では1カ月以上,欧米では6週間以上明らかな誘因がなく膨疹が自発的に出現する状態をそれぞれ慢性蕁麻疹,chronic spontaneous urticariaと呼ぶ。ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体であるオマリズマブ(ゾレア®)は,本邦では2009年に気管支喘息治療薬としてはじめて製造販売承認を取得した薬剤であるが,抗ヒスタミン薬に治療抵抗性の慢性蕁麻疹患者の大多数において有効性が確認されたことから,2017年3月に特発性の慢性蕁麻疹の治療薬として効能が追加承認された。蕁麻疹の保険適応を有する薬剤の種類は少なくゾレア®は副作用も少ないことから,今後難治性蕁麻疹において画期的な治療選択肢となりうると期待できる。