特集 口腔アレルギー症候群(OAS) アップデート
Ⅵ.イネ科花粉症に合併するPFAS
千貫祐子
1
,
荻野龍平
2
,
森田栄伸
3
Yuko Chinuki
1
,
Ryuhei Ogino
2
,
Eishin Morita
3
1島根大学医学部皮膚科学講座講師
2島根大学医学部皮膚科学講座
3島根大学医学部皮膚科学講座教授
pp.1051-1056
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201708049
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花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)は,花粉抗原に感作された患者,つまり花粉症の患者が,原因となる花粉抗原と類似の構造を持つ蛋白質を有する果物や野菜に,交差反応のためにアレルギーを生じる疾患である。食物摂取時のアレルギーの主症状は口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)でみられる症状と同様で,口腔咽頭粘膜の過敏症状をきたし,進行すればアナフィラキシーショックを生じることもある。さらに近年,眼瞼浮腫を生じる患者も少なからず存在することが分かってきた。今回筆者らは,イネ科花粉症に交差反応したと思われる小麦アレルギー患者を複数例経験し,病態の解析を行ったので報告する。