特集 花粉症研究の進歩
XII.プロバイオティックスに関する研究
竹内裕美
1
Hiromi Takeuchi
1
1鳥取大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野教授
pp.362-366
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201703086
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プロバイオティックスのアレルギー疾患に対する作用機序は,腸内細菌叢の再構築を介した腸管免疫応答の正常化によるTh2とTh1のバランスの是正であると考えられる。アレルギー性鼻炎に対しても有用であるが,効果は強いものではなく,現在のところ花粉症治療の初期療法に類似した3次予防的な効果(発症の遅延,重症化の予防など)を目的として使用されるべきと考える。今後,新しい菌種の発見,菌の組み合わせ,投与法などの検討が進めば,有用性がさらに高まることが期待できる。