特集 膠原病研究 アップデート
Ⅰ.腸内細菌と自己免疫疾患
三宅幸子
1
Sachiko Miyake
1
1順天堂大学大学院医学研究科免疫学講座教授
pp.1700-1705
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201512014
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常在細菌の研究がシークエンスベースの解析として新たに展開している。自己免疫との関係についても注目され,無菌飼育下では自己免疫疾患動物モデルは病態が軽減し,抗生剤投与により腸内細菌を変化させると病態が変化する。Th17細胞を誘導するセグメント細菌を移入すると病態が悪化する一方,制御性T細胞の増殖に関与するBacteroides,ClostridiumやLactobacillusを移入すると病態が軽減する。BacteroidesではPolysaccharide Aを介して,Clostridiumは短鎖脂肪酸を介して免疫を抑制するなど作用機序についても研究が進みつつある。ヒトの疾患では関節リウマチや多発性硬化症で解析がされておりなされ,特定の菌が関与する可能性も示唆されている。