連載 アレルギー検査法(25)
I 検査の実際 in vivo 6.食物依存性運動誘発アナフィラキシーの誘発試験
森田栄伸
1
Eishin Morita
1
1島根大学医学部皮膚科教授
pp.720-723
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201505084
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食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)の診断は,被疑食物の摂取に運動負荷やアスピリンの摂取を組み合わせて実施され,アレルギー症状が誘発されれば確定される。しかし誘発試験の感度はそれほど高くないため,症状が誘発されない場合にその食物を原因から除外できない。小麦によるFDEIAでは,小麦グリアジンを検出する高感度ELISAを用いて小麦負荷時に運動負荷やアスピリン前投与を行うと,症状と関連して血中に未消化グリアジンが検出される。この検出系を利用して,誘発試験が陰性であった場合,血中グリアジン濃度が十分高ければ原因として小麦を否定,血中グリアジン濃度が低いか,あるいは検出されない場合には負荷が不十分と判定することで誘発試験の偽陰性を評価することができる。