総説
COPDの呼吸機能日内変動と1日2回β2刺激薬吸入の意義
山口佳寿博
1
Kazuhiro Yamaguchi
1
1東京女子医科大学 東医療センター 総合診療部内科
pp.710-719
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201505074
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生体の種々なる機能は日内変動(circadian variation)の影響を受け,光刺激が豊富な昼間とそれが消失する夜間とでは異なった動態を示す。呼吸機能も同様であり,昼間に高く,夜間に低下する。COPDでは呼吸機能の日内変動が健常人に較べ大きく,夜間において呼吸機能の低下と自覚症状の悪化が発生する。COPD治療薬の中心である長時間作用型β2刺激薬(LABA),長時間作用型抗コリン薬(LAMA)の開発は目覚ましいものがあり,近年,LABA/LAMA合剤も発売された。しかしながら,これら新規薬物も気道閉塞の日内変動を確実に抑制するものではないことが示された。以上の事実をもとに,本総説では,呼吸機能の日内変動の機序を考えると共にそれを緩和するための薬物治療について考えていく。