特集 喘息とCOPDのオーバーラップ症候群(ACOS)をめぐって
V.治 療 1.安定期
横山彰仁
1
Akihito Yokoyama
1
1高知大学医学部血液・呼吸器内科教授
pp.560-565
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201504082
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
本稿の主眼はAsthma-COPD overlap syndrome(ACOS)の安定期の治療であるが,現在ACOS患者に対する治療エビデンスは存在しない。また,明確な診断基準もない疾患群であるため,気管支喘息あるいはCOPDからの類推,あるいは専門家の臨床経験に基づいた推奨にとどまる。現時点では,多少なりともACOSの疑いがある場合は,喘息に準じて吸入ステロイド薬を中心としつつ,対症的な気管支拡張薬の併用も行うべきであり,気管支拡張薬あるいは吸入ステロイド薬による単剤治療を避けることが重要である。