特集 喘息とCOPDのオーバーラップ症候群(ACOS)をめぐって
IV.診 断
村松聡士
1
,
一ノ瀬正和
2
Soshi Muramatsu
1
,
Masakazu Ichinose
2
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
2東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野 教授
pp.554-559
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201504076
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気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は発症機序が異なる独立した疾患であり,治療法も異なっている。喘息は主にアレルギー性の炎症が主因であり,特に好酸球による炎症が特徴である。一方でCOPDはその大部分が喫煙を契機とする疾患であり,好中球性の炎症が特徴である。これら両疾患とも呼吸器慢性疾患の中で罹患率が高く,それぞれの疾患がお互いの発症の危険因子となっており,特に高齢者では合併率が高まる。この合併する状態をオーバーラップ症候群(Asthma-COPD overlap Syndrome:ACOS)と呼ぶようになり,国際的にも注目されている。