連載 記憶に残る症例(12)
両側顎下腺に硬結・腫脹を認めたIgG4関連疾患の1例
間島雄一
1
Yuichi Majima
1
1三重大学名誉教授
pp.1986-1990
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201412158
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両側顎下腺の硬結・腫脹と自己免疫性膵炎を認めたIgG4関連疾患症例を報告した。82歳男性,両側顎下腺の硬結・腫脹からミクリッツ病が疑われた。血清IgG4は高値を示したが,下口唇小唾液腺には炎症細胞浸潤は認めなかった。膵尾部腫瘤性病変の免疫染色でIgG4陽性細胞を多数認め,臨床所見,病理学的,血液学的所見からIgG4関連疾患と診断された。ステロイド治療により顎下腺病変は消失した。血清IgG4値は低下傾向にあるが,なお基準値を上回っている。