特集 自己免疫性疾患としての水疱症
X.日本人ジューリング疱疹状皮膚炎の特徴
大畑千佳
1
Chika Ohata
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室准教授
pp.98-103
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201411098
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ジューリング疱疹状皮膚炎は自己免疫性表皮下水疱症の1つであり,欧米に多い疾患であるが,本邦では稀で1976年から2011年の35年間に91例しか報告されていない。痒みの強い小水疱が四肢伸側や臀部に生じるという臨床像は欧米と同じであるが,蛍光抗体直接法のIgA沈着パターンに細線維状のものが約40%見られること,HLA-DQ2,DQ8を有する症例が報告されていないこと,欧米では標準的治療とされているグルテン除去食がほとんど行われずに,ダプソン(ジアフェニルスルホン)などの薬物治療でほとんど寛解していることなど異なる点が多い。