特集 自己免疫性疾患としての水疱症
IX.水疱性類天疱瘡の新しい知見
西江渉
1
Wataru Nishie
1
1北海道大学病院皮膚科講師
pp.90-96
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201411090
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水疱性類天疱瘡(BP)は皮膚の基底膜を標的とする代表的な自己免疫性水疱症であり,主な自己抗原は表皮基底細胞のヘミデスモゾーム構成分子であるBP180とBP230である。自己抗体がBP180の細胞外領域に結合し,補体が活性化されることが水疱の発生機序と考えられてきたが,最近,補体活性化を伴わず自己抗体が直接BP180の発現を抑制する機序が明らかとなった。またBP180が細胞膜近傍で切断されると細胞外領域の抗原性が大きく変化するが,分子メカニズムの一端も解明された。今回,BPにおけるいくつかの新しい知見を紹介する。