特集 自己免疫性疾患としての水疱症
VIII.腫瘍随伴性天疱瘡の新しい知見
大園綾花
1
Ayaka Ohzono
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室助教
pp.84-89
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201411084
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腫瘍随伴性天疱瘡は,悪性ないし良性腫瘍に随伴する自己免疫性水疱性疾患の一型である。重篤な粘膜病変と多彩な皮膚病変を伴い,主に血液系の腫瘍に随伴する。デスモソームの構成蛋白であるデスモグレインや,細胞骨格結合蛋白のプラキン分子に対する自己抗体を有する。経過中に閉塞性細気管支炎を合併することがあり,発症すると進行性であり死因となりうる。治療は随伴する腫瘍の治療及び尋常性天疱瘡に準じたステロイド内服が主体となる。腫瘍随伴性天疱瘡は,腫瘍に携わる皮膚科以外の他科の医師にも広く知られるべき疾患と考える。