特集 アレルゲン免疫療法~臨床の最前線~
V.アレルギー性鼻炎におけるアレルゲン免疫療法の意義と効果
米倉修二
1
,
岡本美孝
2
Syuji Yonekura
1
,
Yoshitaka Okamoto
2
1千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学 助教
2千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学 教授
pp.1074-1082
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201407046
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本邦におけるスギ花粉症の有病率は上昇の一途をたどっており,中高年を除いて自然寛解はほとんど認めない。薬物治療がアレルギー性鼻炎の治療の中心となっているが,あくまで対症療法に過ぎず根本治療とはならない。このような現状からもアレルギー性鼻炎の自然経過の改善や長期寛解が期待されるアレルゲン免疫療法に関心が高まっている。今後,舌下投与によるアレルゲン免疫療法がスギ花粉症に対する一般治療としての普及することが期待されているが,治療効果のバイオマーカーの確立,効果予測因子の確立,アドヒアランスの向上など克服すべき課題も多い。