特集1 肥満とアレルギー
II.臨 床 4.肥満とアトピー性皮膚炎
末木博彦
1
Hirohiko Sueki
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座教授
pp.1636-1641
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201311084
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小児のアトピー性皮膚炎では国内外の疫学研究から肥満と有意の関連性があり,特に幼児期に一定期間持続した肥満がアトピー性皮膚炎の病態悪化に関与する可能性がある。これに対し,成人アトピー性皮膚炎では肥満との関連性を示唆する米国の疫学研究があるが,わが国を含め現在までのところこれを支持する報告はない。肥満とアトピー性皮膚炎を結びつける機序としてアディポネクチンの低下に伴うIL-10の発現低下により抑制系が働かないこと,レプチンを介するTh1/Th2バランスの変化,TNF-αの発現亢進によるアレルギー炎症の増悪などが想定されている。