特集 アレルギー性鼻炎の研究 アップデート
X.スギ花粉症の初期治療臨床研究
岡野光博
1
Mitsuhiro Okano
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学准教授
pp.754-763
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201305092
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スギ花粉症の初期治療は,繰り返す花粉飛散によってもたらされる過敏性亢進を早期に抑制することで,本格的な症状発現を遅らせ重症化を軽減させる治療法である。自然曝露試験に加え,最近では花粉曝露室を用いた人工曝露試験での検討も進められている。アレルギー性鼻炎ではプラセボ効果が高いことが知られており,初期治療に関する臨床研究ではランダム化比較対照試験をデザインする必要がある。これまで抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧用ステロイド薬,代替医療などによる初期治療が,プラセボ対照二重盲検比較試験で有用性と安全性が示されている。