重症スギ花粉症に対する治療―免疫療法の立場から―

はじめに

　2014年に成立した「アレルギー疾患対策基本法」においては，気管支ぜん息，アトピー性皮膚炎，アレルギー性鼻炎，アレルギー性結膜炎，花粉症，食物アレルギーの6疾患が対象疾患の中心となっており，その他アレルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害な局所的または全身的反応に係る疾患が含まれる。それらの疾患の重症化の予防および症状の軽減に寄与することを目的としているが，なかでもアレルギー性鼻炎および花粉症において，アレルゲン免疫療法が担う役割は大きい。