Japanese
English
連載 私達の研究(179)
リンパ球チップを用いた「個の免疫医療システム」の開発
Development of tailor-maid immunotherapy using lymphocyte chip
村口篤
1
,
小澤龍彦
2
,
小林栄治
2
,
岸裕幸
3
Muraguchi Atsushi
1
,
Ozawa Tatsuhiko
2
,
Kobayashi Eiji
2
,
Kishi Hiroyuki
3
1富山大学医学部免疫学講座 名誉教授
2富山大学医学部免疫学講座 助教
3富山大学医学部免疫学講座 准教授
キーワード:
抗体,T細胞受容体,感染症,がん,個の免疫療法
Keyword:
抗体,T細胞受容体,感染症,がん,個の免疫療法
pp.302-311
発行日 2018年1月25日
Published Date 2018/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201802302
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
我々は,血液中にきわめて稀に存在する抗原特異的抗体産生細胞を網羅的かつ迅速に検出し,その細胞を回収し,きわめて短期間にウイルスに対する多種類の質の高いヒトモノクローナル抗体を得るシステム(ISAAC:ImmunoSpot Array Assay on a Chip)の開発に世界ではじめて成功した。さらに患者血液やがん組織から,ウイルスあるいはがん特異的Tリンパ球を検出し,各々の細胞から機能的なT細胞受容体(TCR)遺伝子の取得を世界最速で行うシステム(hTEC10:human TCR efficient cloning within 10 days)を開発した。これらのシステムを用いて感染症やがんの「個の免疫療法(テーラーメイド免疫治療)」が加速することが期待される。