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特集 性感染症におけるup to date
4.性感染症の性器外感染におけるup to date
Extragenital sexually transmitted infections:up to date status
和田耕一郎
1
Wada Koichiro
1
1岡山大学病院泌尿器科 講師
キーワード:
性感染症
,
性器外性感染症
,
淋菌感染症
,
クラミジア感染症
Keyword:
性感染症
,
性器外性感染症
,
淋菌感染症
,
クラミジア感染症
pp.57-62
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201712057
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性感染症の蔓延が問題となっている。淋菌やクラミジアによる尿道炎や子宮頸管炎はもとより,最近わが国では梅毒の増加が著しく,HIVも減少傾向がみられていない。この現象は性器外の性感染症が一因となっている可能性が指摘されている。性器外性感染症を考える上で,性感染症の中で頻度の高い淋菌とクラミジア感染については,性器感染から進行した骨盤内感染や肝周囲炎と,異なるサイトの感染である結膜炎,咽頭炎,直腸炎を分けて考える必要がある。特に無症状で頻度が高いと考えられる咽頭炎は尿道炎や子宮頸管炎が蔓延する原因としてもっとも注目すべきである。性器外性感染症の診断や治療において,もっとも信頼できる拡散増幅検査や通常の性感染症で使用する治療薬が保険収載されていないことに注意が必要であり,感染制御の限界と言える。さらに治癒判定まで行われる可能性も低いため,治癒率を優先した適切な治療を行っておくことが肝要であり,少しでも性器外性感染症から性感染症が拡散する流れに歯止めをかけなければならない。