Japanese
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特集 B型肝炎の現状とワクチン定期接種化の意義
5.B型肝炎ワクチン開発と今後の展望
Development of hepatitis B vaccine and the future strategy
杉山真也
1
,
溝上雅史
2
Sugiyama Masaya
1
,
Mizokami Masashi
2
1国立国際医療研究センター研究所ゲノム医科学プロジェクト 副プロジェクト長
2国立国際医療研究センター研究所ゲノム医科学プロジェクト プロジェクト長
キーワード:
B型肝炎ワクチン
,
再活性化
,
遺伝子型
,
抗体価
Keyword:
B型肝炎ワクチン
,
再活性化
,
遺伝子型
,
抗体価
pp.55-61
発行日 2017年10月25日
Published Date 2017/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201711055
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B型肝炎(HB)ワクチンによるB型肝炎ウイルス(HBV)感染予防効果は高く,1986年にはnation-wideに母子感染防止事業がはじまった。2016年からはユニバーサルワクチン事業がはじまり,新生児に対する定期接種が本格化した。一方で,分子標的治療薬の副作用としてのB型肝炎の再活性化や,海外からのHBV遺伝子型Aの流入といった新しい肝炎像が示されており,HBV感染の予防と制御が改めて注目をあびている。また,HBワクチンについても開発時以来の問題点が残されている。特に抗体価が低下する場合は,ワクチン接種者においても新規感染を防ぐことができないことが明らかとなり,新たな対策が必要となっている。本稿では,ワクチンの開発経緯から現在,将来の展望について概説する。