連載 私の感染症研究を振り返って(44)
「顧みられない感染症」研究の日々を顧みる
太田伸生
1
Ohta Nobuo
1
1東京医科歯科大学 名誉教授/鈴鹿医療科学大学 特任教授
pp.156-162
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708156
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平成29年(2017年)3月で私は東京医科歯科大学教授を定年退職し,30年余の寄生虫感染症研究から少し距離をおく立場になった。私は信州大学医学部を卒業後,ただちに東京医科歯科大学難治疾患研究所遺伝生化学部門の大学院に入学した。指導教員は,スタンフォード大学でのポスドクから帰国直後で,30歳代半ばの熱意に溢れていた笹月健彦先生であった。笹月先生の教授昇進にともなって,同じ研究所内であったが人類遺伝学部門に私も異動し,そこで私の研究者としての訓練が始まった。