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特集 蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線
12.フラビウイルス感染症に対する診断法
The diagnosis of the flavivirus infection
髙崎智彦
1
,
伊藤美佳子
2
Takasaki Tomohiko
1
,
Ito Mikako
2
1神奈川県衛生研究所 所長
2神奈川県衛生研究所 客員研究員
キーワード:
フラビウイルス感染症
,
実験室診断
,
デングウイルス
,
ジカウイルス
,
日本脳炎
Keyword:
フラビウイルス感染症
,
実験室診断
,
デングウイルス
,
ジカウイルス
,
日本脳炎
pp.139-143
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708139
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フラビウイルス感染症のうち,蚊媒介性ウイルスは脳炎を引き起こすウイルスと急性熱性疾患を引き起こすウイルスに大別される。それぞれの感染症に関しては,臨床症状だけでなく,流行発生地域も重なっているため,正確な鑑別診断には実験室診断が必須である。ウイルス抗原を検出する病原体検査と特異抗体を検出する血清学的検査を併用することが診断上重要である。病原体検査は,ウイルス分離およびRT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)法によるウイルス遺伝子の検出があげられる。血清学的検査において確認できるIgM(免疫グロブリンM)抗体は比較的特異的で,診断可能であることが多い。中和抗体価の測定ができる中和試験は,中和抗体価が急性期と回復期の血清で4倍以上の有意な上昇が認められる場合は特異ウイルス感染の診断が可能となる。