Japanese
English
特集 忘れてはいけない人獣共通感染症
6.炭疽
Anthrax
内田郁夫
1
Uchida Ikuo
1
1国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門細菌・寄生虫研究領域長
キーワード:
炭疽
,
急性敗血症
,
芽胞
,
土壌病
Keyword:
炭疽
,
急性敗血症
,
芽胞
,
土壌病
pp.59-65
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201703059
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わが国においては炭疽の発生はほとんどなくなったが,炭疽菌の芽胞が何十年ものあいだ土壌中に生残することを考えると,動物一般へのリスクがつきまとっていることを認識しなければならない。また,日本周辺の国々においては炭疽の発生が続いている国もある。このような現状を考えると,いつ炭疽の発生があってもおかしくはない。本病は人にも感染することから,たとえ1頭の発生があったとしてもその措置如何によっては,牛乳あるいはその他の畜産物の汚染により予期しがたい損害を出す恐れのあるきわめて恐ろしい疾病である。さらに,炭疽菌は生物兵器やバイオテロに利用可能な病原菌として注視されており,炭疽はそのような観点からも忘れてはいけない重要な疾病である。