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特集 国際的に脅威となる感染症
5.鳥インフルエンザA(H7N9)感染症
Infectious disease due to avian influenza A(H7N9)virus
川名明彦
1
Kawana Akihiko
1
1防衛医科大学校感染症・呼吸器内科 教授
キーワード:
鳥インフルエンザ
,
A(H7N9)
,
肺炎
Keyword:
鳥インフルエンザ
,
A(H7N9)
,
肺炎
pp.58-65
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201702058
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最初の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染症は2013年春に中国からWHOに報告された。これまで中国東部を中心に感染者が散発しており,累計約800名が報告され,40%が死亡した。ヒトが感染すると多くの例で重症肺炎から呼吸不全を呈し予後は不良である。現時点ではほとんどのヒト症例はインフルエンザA(H7N9)ウイルスを保有する鳥や汚染した環境から感染しており,ヒト-ヒト感染はまれである。治療はノイラミニダーゼ阻害薬の早期投与が重要である。感染対策として,流行地域ではライブマーケットの閉鎖や衛生教育の推進などが,医療現場では,標準予防策,飛沫予防策,接触予防策に加え,空気予防策の採用などが重要である。