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H7N9鳥インフルエンザに対する日本人の免疫
山地 玲奈
1
,
野田 岳志
1,2
1東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野
2独立行政法人科学技術振興機構さきがけ
pp.424-428
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104254
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H7N9鳥インフルエンザ感染
2013年3月末,中国の衛生当局は,H7N9鳥インフルエンザウイルスに起因する最初のヒト感染例を世界保健機関(World Health Organization,WHO)に報告した.同年4月1日,WHOは,中国の上海および安徽省においてH7N9ウイルス感染者が3人発生(うち2人が死亡)したことを発表した.また,同年4月4日には,中国の獣医局が,中国南部のハトやニワトリにH7N9低病原性鳥インフルエンザウイルスが感染していたことを国際獣疫事務局(World Organisation for Animal Health,OIE)に報告した.
上海および安徽省の患者から分離されたウイルスの遺伝子系統樹解析から,今回,ヒトに感染したH7N9鳥インフルエンザウイルスは,複数の鳥インフルエンザウイルスの遺伝子交雑体であることが明らかになった.ヘマグルチニン(hemagglutinin,HA)遺伝子はアヒルのH7N3ウイルス,ノイラミニダーゼ(neuraminidase,NA)遺伝子は野鳥のH7N9ウイルス,その他の内部遺伝子はニワトリのH9N2ウイルスに由来することがわかっている1).2014年1月21日現在までの感染者数は,確認されただけで207名である(http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/en/).当初,死亡率は50%程度であったが,重症例の早期発見と適切な治療によって死亡率は低下しつつある.
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