Japanese
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特集 難治性真菌症の病態と治療戦略
Ⅰ 基礎 1.真菌の進化と病原真菌命名法の動向
The evolution of fungi and trends in nomenclature of pathogenic fungi
楊彩佳
1
,
槇村浩一
2
Yo Ayaka
1
,
Makimura Koichi
2
1帝京大学医療共通教育研究センター 研究員
2帝京大学医療共通教育研究センター 主任・教授
キーワード:
真菌
,
分子生物学的解析
,
AFTOL
,
国際藻類・菌類・植物命名規約
,
One Fungus One Name
Keyword:
真菌
,
分子生物学的解析
,
AFTOL
,
国際藻類・菌類・植物命名規約
,
One Fungus One Name
pp.24-31
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201607024
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真菌とは,酵母,カビ,キノコを含む従属栄養性の真核生物群である。近年の分子生物学的解析の結果,かつて植物に近い一群とされていた真菌は,我々人間を含む動物と多くの共通する遺伝的,表現型的形質を有し,系統学的にむしろ動物に近いことが明らかになった。また,生殖方法などの形態学的所見に基づいて行われていた従来の分類では特徴的な性状を示さないために分類不能となった菌に関しても,その分類を明らかにすることが可能となった。それにともない,ひとつの種を有性世代および無性世代の2つの学名で呼称する二重命名法を解消し,1菌種には1学名が割り当てられることとなった。そこで本稿では真菌の分類の変遷および学名統一の動向について述べる。