Japanese
English
特集 食の安全と微生物汚染
10.ノロウイルス感染の現状と対策
Norovirus infection and vaccines against it
中込 治
1
,
中込とよ子
2
Nakagomi Osamu
1
,
Nakagomi Toyoko
2
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・分子疫学分野/分子標的医学研究センター 教授
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・分子疫学分野/分子標的医学研究センター 特任研究員
キーワード:
: ノロウイルス
,
疫学的類型
,
不顕性感染
,
ウイルス様粒子
,
ワクチン
Keyword:
: ノロウイルス
,
疫学的類型
,
不顕性感染
,
ウイルス様粒子
,
ワクチン
pp.96-101
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201604096
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ノロウイルスはウイルス性食中毒の95%以上を占めているもっとも重要な病原体である。ノロウイルス性食中毒が発生する背景には,ノロウイルスが乳幼児から老人に至る全年齢層に感染し,多様な疫学的類型をもつ感染症を起こすこと,膨大な数の不顕性感染者が存在していること,持続感染している免疫不全者が,次のパンデミックを起こす変異株が生まれる母体になっている可能性がある。また,ウイルス様粒子によるノロウイルスワクチンの臨床試験の結果は,このワクチンが重症化の予防には有望であることを示した。