特集 食の安全と微生物汚染
食の安全と微生物汚染
光山 正雄
1
Mitsuyama Masao
1
1京都大学 名誉教授/京都大学大学院総合生存学館 特定教授
pp.21-21
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201604021
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食素材の提供はいまやグローバルな流通によって可能になっているが,わが国では食の安全が厳しく求められており,流通食品においては,鮮度に加え,異物,残留農薬,微生物汚染等について,特に厳重な管理とそれを管理する上での根拠法令も整備されてきている。特に重大な問題や集団事例を起こすのは種々の細菌とウイルスであり,元となる原料食材の安全に加えて,調理加工の上,喫食に供される食品の安全・安心は国民的懸案事項である。 従来,食品と微生物と言えば,食中毒を特集として組み,食中毒の各論を網羅することが多かったが,本特集では,食の安全・安心をより広範に捉え,食材の生産,流通,食品製造過程,販売流通ルートなどをも含めて解説し,微生物汚染を中心とした食の安全について現状を認識し,理解を深めるものとしたい。 序 -食の安全の今- 1.総論 -食品の微生物汚染と食を介する感染症- 2.食品製造工程における衛生管理と食品汚染細菌の標準試験法 3.食品における病原微生物汚染の国際的リスクマネジメント 4.輸入水産物の微生物汚染と対策 5.食品のウイルス汚染とウイルス性食中毒 6.食品微生物の迅速・高感度検出法の適正な利用法 -より高度な食の安全保証を目指して- 7.腸管出血性大腸菌感染の現状と病原性 8.カンピロバクター感染の現状と病原性 9.リステリアによる食中毒の世界的動向と病原性 10.ノロウイルス感染の現状と対策