Japanese
English
特集 食の安全と微生物汚染
4.輸入水産物の微生物汚染と対策
Microbial contamination of imported marine products and the measures to prevent its spread
西渕光昭
1
Nishibuchi Mitsuaki
1
1京都大学東南アジア研究所 教授(病原細菌学)
キーワード:
: コレラ
,
検疫
,
腸炎ビブリオ
,
世界的大流行
,
赤痢
Keyword:
: コレラ
,
検疫
,
腸炎ビブリオ
,
世界的大流行
,
赤痢
pp.48-54
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201604048
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
日本人は魚介類の豊富な環境で魚食文化を維持してきたが,現在の水産物自給率は63%(水産物輸入量世界第1位)である。中国など多数の国々から,さけ・ます,かつお・まぐろ類,えびを筆頭に,さまざまな水産物を輸入している。輸入は,検疫所管轄下の監視制度(輸入届〔2013年は219万件〕,書面審査,必要な場合の各種検査〔9%〕,指導,違反事例〔0.05%〕)により,安全性とすみやかな流通が確保されている。食品衛生法に従って,微生物汚染は食品ごとの成分規格(糞便汚染の指標菌と特定病原体〔腸炎ビブリオ〕)について検査される。過去に,コレラ菌に汚染した台湾産スッポンや,赤痢菌に汚染した韓国産生カキによる国内集団食中毒事例が知られている。