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特集 臓器障害・生理機能に対応した抗菌薬の適正使用
1.感染症と臓器障害
1)感染症による臓器障害-臓器障害を見たら敗血症か否か-
Infection, sepsis, organ dysfunction
久保健児
1
Kubo Kenji
1
1日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科部 副部長(救急科部兼務)
キーワード:
重症敗血症・敗血症性ショック
,
臓器障害
,
フォーカス不明
Keyword:
重症敗血症・敗血症性ショック
,
臓器障害
,
フォーカス不明
pp.25-34
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201603025
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感染症による臓器障害のパターンは2種類ある。ひとつは特定の原因菌によらずに発症する全身炎症にともなう多臓器障害であり,意識障害(敗血症性脳症),ARDS(急性呼吸促迫症候群),ショック,急性腎障害,高血糖,肝障害,凝固障害などがある。重症度別に敗血症・重症敗血症・敗血症性ショックと称される。そしてもうひとつは,個々の臓器障害ごとに関連する原因微生物が決まっているパターンである。本稿では,臨床の現場で,いかに早く敗血症を疑えるか,ひとつの臓器障害を見つけたときに敗血症と鑑別を要する感染症を想起できるかという視点で,感染症による臓器障害についてレビューする。