特集 ヒトの健康・疾患と腸内細菌の関わり
5.腸内常在細菌による腸内ホメオスタシス制御
大坂利文
1
Osaka Toshifumi
1
1東京女子医科大学医学部微生物学免疫学教室 助教
キーワード:
腸内細菌
,
Toll-like receptors
,
粘膜免疫系
Keyword:
腸内細菌
,
Toll-like receptors
,
粘膜免疫系
pp.55-64
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201602055
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腸内細菌は生体の恒常性維持あるいは感染防御を担う腸管免疫系の発達や制御にきわめて重要な存在である。我々の体を構成する細胞はToll-like receptors(TLRs)などの受容体を介して生体内の腸内細菌の存在を認識している。近年,腸管粘膜免疫系にかかわる多くの免疫細胞や腸上皮細胞において,TLRシグナリングが多様な機能を調節することで免疫応答および腸内細菌叢を制御していることが示されている。本稿では,腸管恒常性の維持にかかわる「腸内細菌とTLRsの相互作用」についての最新の知見を概略する。