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特集 国境を越える重症新興・再興感染症
8.プリオン病 -硬膜移植後CJDと変異型CJD-
Prion disease -dCJD and vCJD-
浜口毅
1
,
山田正仁
2
Hamaguchi Tsuyoshi
1
,
Yamada Masahito
2
1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科脳病態医学講座脳老化・神経病態学(神経内科学) 助教
2金沢大学大学院医薬保健学総合研究科脳病態医学講座脳老化・神経病態学(神経内科学) 教授
キーワード:
Prion disease
,
Dura mater graft-associated Creutzfeldt-Jakob disease
,
Variant Creutzfeldt-Jakob disease
,
Prion protein
Keyword:
Prion disease
,
Dura mater graft-associated Creutzfeldt-Jakob disease
,
Variant Creutzfeldt-Jakob disease
,
Prion protein
pp.76-83
発行日 2015年5月25日
Published Date 2015/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201506076
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ヒトのプリオン病はその原因から,原因不明の孤発性,プリオンタンパク遺伝子変異をともなう遺伝性,医療行為や食品から感染した獲得性の3種類に分けられる。わが国では獲得性プリオン病の中でも,医療行為にともなう硬膜移植後Creutzfeldt-Jakob病(dura mater graft-associated Creutzfeldt-Jakob disease:dCJD)が多発しており,大きな社会問題となっている。また,英国で多発し,大きな問題となった,ウシ海綿状脳症からヒトに感染したと考えられる変異型CJD(variant CJD:vCJD)もわが国で1例発症している。vCJDは輸血による感染も報告されており,二次感染予防の観点からも,プリオン病の簡便かつ高感度な検出法の確立,感染予防体制の充実など,さまざまなレベルでの対策が必要である。本稿では,獲得性プリオン病のうち,わが国で報告されているdCJDとvCJDについて概説する。