Japanese
English
特集 野外活動と感染症
4.生食による感染症 2)生肉,野生動物による原虫・寄生虫感染症
Meat-born protozoan and parasitic diseases
丸山治彦
1
Maruyama Haruhiko
1
1宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野 教授
キーワード:
トキソプラズマ
,
肺吸虫
,
マンソン孤虫
,
顎口虫
,
旋毛虫
Keyword:
トキソプラズマ
,
肺吸虫
,
マンソン孤虫
,
顎口虫
,
旋毛虫
pp.80-88
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201505080
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野生動物は例外なく何らかの寄生虫・原虫に感染しており,筋肉や内臓では感染型の虫体が次の宿主へ寄生する機会をうかがっている。原虫ではトキソプラズマ,寄生虫では,肺吸虫,マンソン孤虫,顎口虫,旋毛虫が代表的である。トキソプラズマは不顕性感染が多いが,妊婦時の感染は胎児の先天異常の原因となり得る。肺吸虫は好酸球増多をともなう呼吸器症状,マンソン孤虫や顎口虫感染は移動性腫瘤や皮膚爬行疹を起こす。マンソン孤虫に対する有効な駆虫薬はない。旋毛虫症は長く国内症例はないが,危険性が消滅しているわけではない。どのような部位であれ,野生動物は生食するものではなく,食べるときには十分な加熱を肝に銘ずるべきである。