Japanese
English
特集 周術期感染症の制御と治療戦略
9.周術期感染予防・治療のための抗菌薬投与
Antimicrobial prophylaxis and treatment for postoperative infections
毛利靖彦
1
,
楠正人
2
,
小林美奈子
3
,
岡正朗
4
,
小西敏郎
5
,
望月英隆
6
,
炭山嘉伸
7
Mohri Yasuhiko
1
,
Kusunoki Masato
2
,
Kobayashi Minako
3
,
Oka Masaaki
4
,
Konishi Toshiro
5
,
Mochizuki Hidetaka
6
,
Sumiyama Yoshinobu
7
1三重大学大学院消化管・小児外科学 准教授
2三重大学大学院消化管・小児外科学 教授/日本外科感染症学会RCT委員会
3三重大学大学院先端的外科技術開発学 講師
4日本外科感染症学会RCT委員会/山口大学 学長
5日本外科感染症学会RCT委員会/東京医療保険大学 副学長
6日本外科感染症学会RCT委員会/防衛医科大学校 名誉教授
7日本外科感染症学会RCT委員会/東邦大学 理事長
キーワード:
予防抗菌薬
,
治療抗菌薬
,
手術部位感染
Keyword:
予防抗菌薬
,
治療抗菌薬
,
手術部位感染
pp.91-97
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201502091
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周術期感染予防抗菌薬使用に当たり留意すべき点としては,選択,投与開始時期,および投与期間である。術中汚染菌に活性を有する抗菌薬選択を行い,執刀の1時間前以内に投与を開始するのが適切であると考えられる。投与期間は術後早期に終了することが望ましいが,日本外科感染症学会で行われた,胃がん胃全摘術および肝細胞がん肝切除術,直腸手術に関するRCT(無作為化比較試験)の結果をふまえて考察する。また,臓器・体腔手術部位感染(surgical site infection:SSI)は重症化しやすいため,早期に起炎菌を同定し,治療抗菌薬を選択する必要がある。米国の複雑性腹腔内感染症におけるガイドラインによると,重症となることが多い術後腹腔内感染に対しては,広域な抗菌力を備えた抗菌薬選択が初期治療として推奨されている。