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特集 ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断と治療 up-to-date
6.ヘリコバクター・ピロリ感染に対する除菌治療の現状 -三次除菌療法を含む-
Present status of Helicobacter pylori eradication therapy
沖本忠義
1
,
村上和成
2
Okimoto Tadayoshi
1
,
Murakami Kazunari
2
1大分大学医学部消化器内科学講座
2大分大学医学部消化器内科学講座 教授
キーワード:
除菌療法
,
薬剤耐性
,
三次除菌
,
自費診療
Keyword:
除菌療法
,
薬剤耐性
,
三次除菌
,
自費診療
pp.66-72
発行日 2014年9月25日
Published Date 2014/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201410066
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Helicobacter pylori(H. pylori)感染に対する除菌療法は現在,一次・二次除菌療法が保険適用である。保険適用となった2000年前後は一次除菌率が90%程度であったが,近年,除菌率が70%台へ低下してきている。原因としてはクラリスロマイシン耐性株の増加による除菌率の低下がもっとも考えられる。一方,二次除菌に関しては除菌率は90%程度と良好であり,除菌率の低下は認めていない。一次・二次除菌療法により,H. pylori感染者の97~98%は保険診療で除菌可能であるが,H. pylori感染胃炎に対する検査・除菌が保険適用となった現在,除菌対象者が増加しており,今後,自費診療で三次除菌を行う患者が増加することが考えられる。現時点で推奨される三次除菌方法としては,シタフロキサシンを含む三剤併用療法があげられる。