Japanese
English
連載 私達の研究(137)
熱帯熱マラリア原虫から寄生赤血球へのタンパク質輸送
Protein transport from Plasmodium falciparum to parasite-infected erythrocyte
宮﨑真也
1
,
加賀谷渉
2
,
金子修
3
Miyazaki Shinya
1
,
Kagaya Wataru
2
,
Kaneko Osamu
3
1長崎大学熱帯医学研究所原虫学分野 博士研究員
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
3長崎大学熱帯医学研究所原虫学分野 教授
キーワード:
熱帯熱マラリア原虫,赤血球,タンパク質輸送,SURFIN,抗マラリア薬
Keyword:
熱帯熱マラリア原虫,赤血球,タンパク質輸送,SURFIN,抗マラリア薬
pp.110-116
発行日 2014年7月25日
Published Date 2014/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201408110
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
マラリアは世界中で,多数の患者,死者を出す医学上重要な原虫感染症である。最近,耐性がみられなかった唯一の抗マラリア薬であるアルテミシニンに対する耐性原虫が出現したことから,新たな抗マラリア薬の開発が緊急の課題となっている。マラリア原虫は寄生した赤血球内に多くのエフェクタータンパク質を輸送し,赤血球を生存に適した環境に改変することで寄生を成立させる。このようなタンパク質輸送機構はマラリア原虫に特有のものと予想され,創薬標的となる可能性がある。本稿では,熱帯熱マラリア原虫の寄生赤血球へのタンパク質輸送機構について現在のモデルを概説するとともに,我々が解析を進めている原虫タンパク質SURFINの赤血球への輸送について紹介する。