連載 エイズに見られる感染症と悪性腫瘍(9)
サルモネラ菌血症
矢嶋敬史郎
1
,
白阪琢磨
2
Yajima Keishiro
1
,
Shirasaka Takuma
2
1国立病院機構大阪医療センターHIV/AIDS先端医療開発センター
2国立病院機構大阪医療センターHIV/AIDS先端医療開発センター センター長
pp.4-9
発行日 2014年6月25日
Published Date 2014/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201407004
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再発性サルモネラ菌血症はエイズ指標疾患のひとつである。有効な抗HIV(ヒト免疫不全ウイルス)療法(HAART)の時代になってからその頻度は減少しているが,診断が遅れると致死的な転帰をとることがある。海外渡航が容易となった現在では,HIV感染者に続く発熱等をみた場合,本症を鑑別に入れておく必要がある。近年,第一選択薬であるシプロフロキサシンなどフルオロキノロン系抗菌薬への耐性化が進んでいるため,患者の状態,菌の感受性などを総合的に判断して抗菌薬を選択する必要がある。