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特集 感染症研究国際ネットワーク研究の現状
8.岡山大学-インド拠点の活動
Research activity of Collaborative Research Center of Okayama University for Infectious Disease in India
篠田純男
1
Shinoda Sumio
1
1岡山大学インド感染症共同研究センター センター長
キーワード:
NICED
,
下痢症
,
コレラ
,
VBNC
,
赤痢ワクチン
Keyword:
NICED
,
下痢症
,
コレラ
,
VBNC
,
赤痢ワクチン
pp.84-96
発行日 2014年5月25日
Published Date 2014/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201406084
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岡山大学インド感染症共同研究センターは東インド・コルカタのインド国立コレラおよび腸管感染症研究所(NICED:National Institute of Cholera and Enteric Diseases)に拠点をおいている。ここは19世紀末にRobert Kochが,コレラ患者から菌を分離してコレラの病原体として確立した歴史的な場所であるが,いまだにコレラやその他の下痢症患者が多数発生しており,腸管感染症対策を主体にしたNICEDが設置されている。したがって,ここに設置された岡山大学拠点も基本的に下痢症を研究の主題としており,それ以前のJICA(国際協力機構)事業・インド下痢症制圧プロジェクトが基盤となっている。日本人研究員はセンター長を含めて3人と少数であるが,多くのNICED研究員との共同研究により,下痢症患者の積極的動向調査,赤痢ワクチンの開発,VBNC(viable but non-culturable)Vibrio cholerae の生態,El Tor variant V. cholerae, 各種の下痢原因微生物の病原性機構などについてのテーマで研究成果を上げている。特に,下痢症患者の積極的動向調査では患者の病原体のすみやかな同定システムを開発しており,これを,インドネシア,ベトナムの拠点との連携でコンソーシアム事業を行い,同定法の技術移転等のトレーニングコースを実施した。