連載 エイズに見られる感染症と悪性腫瘍(2)
クリプトコッカス症
矢嶋敬史郎
1
,
大寺博
1
Yajima Keishiro
1
,
Otera Hiroshi
1
1国立病院機構大阪医療センターHIV/AIDS先端医療開発センター
pp.4-10
発行日 2013年11月25日
Published Date 2013/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201312004
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クリプトコッカス感染症はHIV陽性者の日和見感染症のひとつとして重要な疾患であり,なかでも髄膜炎が最多である。抗HIV療法(HAART)の進歩や,より副作用の少ない脂質可溶性製剤の使用により治療成績は向上したが,適切な診断・治療がなされない場合,重篤な後遺症を残し,死に至ることもある。HIV合併例ではHAART開始後に免疫再構築症候群による増悪をみることがあるが,HAART開始の時期やステロイド投与の適応と,その投与量・時期などに関してはいまだ一定の見解がない。